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動画配信・SNSの利用実態
前回は若者のテレビ離れをテーマにライティングしましたが、その理由の中にSNS利用の拡大と動画視聴方法の選択肢が影響していることが確認されました。今回はSNSと動画配信について更に深堀をしていきたいと思います。
目次
SNSのはじまりから現在まで

SNSが登場したのは1990年代後半と言われています。しかし、インターネットインフラや端末の関係で利用者数は少なく現在のような状況ではありませんでした。1995年にインターネットカフェが出現、京都の「ネットサーフ」や東京・渋谷の「エレクトロニックカフェ・トウキョウ」がはじまりと言われています。現在ではどこでもアクセスできるインターネットですが、当初は限られた場所以外のアクセスが困難な環境でした。
1999年より携帯電話からインターネットへのアクセスが可能となるサービス(iモード、EZweb等)がはじまり場所を選ばずアクセスできる環境が整いました。2004年からmixiやGREEなど招待制によるクローズ環境の安心感などもあり徐々に普及していきます。その後ゲームサービスが加わる事で普及速度が上昇します。FacebookやTwitter(現X)もこの時期にサービスが開始されています。
2011年、東日本大震災時、電話で困難な安否確認もSNS環境ではスムーズに取れたという事実を背景に同年6月にLINEがサービスを開始。無料通話やスタンプ機能などを有し2013年1月には世界で1億人のユーザー数と利用者数が急速に拡大しています。このタイミングでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が一般に認知されたと言えます。(図1)
2008年のiPhoneの発売を機に徐々に携帯電話(ガラケー)からスマートフォン(以下スマホ)に移行、インターネットへのアクセスもPCからスマホ中心に変化していきました。Instagramの登場でSNSも従来のメッセージからスタンプや写真、チャット形式のコミュニケーションが主流となり、この時期にいわゆるインフルエンサーも登場しています。
現在ではTikTokの台頭、YouTubeショートの開始、タイパ意識によりショート動画が主流となっています。また、プラットフォームとして安定的なアクセス数を確保したことでCM(広告)の配信先としての機能もSNSが有するようになりました。 行政サービスやアプリの多様化によりインターネットを利用する人の約80%がSNSを利用するようになっています。

出典|Cross Marketing「SNSの歴史とは?SNSの誕生から未来までをたどる」(最終更新日: 2026/03/19)
今の若者はいつからSNSに触れている?

インターネットやSNSがインフラとなった現在、若者はどのタイミングでその環境に馴染んでいくのでしょうか。小中学生にフォーカスし深掘りします。小学校低学年では25%と利用率はそこまで多くありませんが中学生になると95%が利用しているというデータがあります。(図2)
その背景には親子や友だちのコミュニケーション、父母間や学校からの連絡にもLINE等のSNSが使われている点、各キャリアの囲い込み施策(キッズプラン)やGPS見守り機能などがニーズにマッチしたものと思われます。

また、具体的にどのサービスの利用が多いのかを確認すると入口はLINEという事が分かります。(図3)
LINEは国内の月間利用者数で1億人を突破したと発表があり高いシェアがあります。年次調査では多少の上下はあるものの年齢に比例して利用率が高まっている事がわかります。また、TikTokの利用人数が2番手につけている所も注目です。

いわゆる現在の若者層であるZ世代(1990年~2010年生まれ)はSNSネイティブ世代と言われています。ものごころついた時には既にインターネットがあり、そして思春期の頃がSNSの普及期~拡大期、そんな時代を生きて来た世代になります。次のアルファ世代は更に早い段階からSNSに接している世代ということになります。
出典|NTTドコモ モバイル社会研究所ホームページ「SNS利用率 小学生高学年で62% 中学生は95%」(2026年2月16日)
ショート動画や画像アップはなぜ定着したのか?

次になぜ画像や動画のアップ(共有)が定着したのでしょうか。その理由を探っていくと3つの環境が整った事が理由と言えます。
1)通信の高速化
2012年にKDDIとソフトバンクがNTTに続き4G(LTE)サービスを開始したことでスマホでの動画視聴や画像のアップロードが容易になりました。理論上、現在の5Gは4Gの20倍の通信速度を実現します。
2)スマホカメラの高性能化
高性能センサー、複数のレンズ、画像編集アプリの充実によりデジカメを超える画像が可能になりました。InstagramやTikTokなどの小さい画像においては問題ないクオリティが確保できます。アプリ利用で映える加工やデコレーションも容易なので少ない手間でアップ可能です。
3)アルゴリズム~AIへの進化
以前は投稿した画像や動画は限られた範囲内、決められたルール内の視聴や閲覧でした。AI(自動学習)が実装される事で思いがけない反応(バズる)や新たな接点が生まれユーザーの投稿意欲が刺激される環境になったと言えます。
手軽に動画制作、画像加工が可能になった事、YouTube、TikTokやInstagramなどの画像・動画共有アプリが定着したことでアップ(共有)する事が定着したという事が言えます。インフルエンサーの存在や広告収入(副業)としての影響も大きいと思われます。最近では加工された画像ではなく未加工の画像をアップするBeRealなども人気が出ています。
SNSが定着したことによる課題や弊害
今の若者世代はSNSネイティブ世代と述べましたがその事による課題や弊害を考えてみます。SNSの利用は利便性の向上や容易な情報獲得が出来るメリットが考えられますが、同時に気を付けなければならない事があります。いくつか考えられますが3つのケースを説明します。
1)メンタルヘルス

加工された画像や動画の世界と自身とのギャップ、他人との比較から生じる自己肯定感の低下などが生じる場合があります。また、再生回数やいいね、フォロワー数などその数字で自身の価値を計ってしまう。その結果、精神的なストレスやSNS異存につながる場合があります。また投稿から個人やエリアの特定に繋がるケースがあり、その情報が拡散してしまえば一生消えないリスク「デジタルタトゥー」として向き合わなければいけない場合もあります。
2)承認欲求の暴走

自身の価値を数字で計ってしまう事で「バズれば良い」という安直な発想になりモラルの崩壊や誤った判断をしてしまう場合があります。2013年にローソンで発生した、従業員がアイスクリームの冷蔵ケースに入って寝転がる写真がTwitter(当時)に投稿され炎上した事件、2023年を中心に回転寿司チェーンで相次いだ「迷惑動画(寿司テロ)」事件は、醤油差しをなめる動画が代表的です。結果的に社会的制裁と多額の損害賠償に繋がり回転ずしではオペレーション変更や設備投資などが必要になり社会的問題となりました。
3)情報の偏りや誤り

アルゴリズムやAIおすすめ機能により触れる情報に偏りが生じること(エコーチェンバー現象)があります。自分の好きなジャンルや情報のみに触れる事で価値観や考え方の固定や多角的な意見を受入れ難くなってしまう場合があります。また、生成AIの普及によりフェイク動画やニュースにより誤った情報を鵜呑みにしてしまう事もあります。スマホさえあれば情報を発信出来てしまう現在においてはファクトチェックや安易に拡散しない姿勢が大切です。
総務省、令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書からもコミュニケーションはSNS(図4)、インターネット利用では動画投稿・共有サービスの利用(図5)が多いことが確認できます。特に10代と20代に顕著な傾向が出ていることがわかります。


出典|総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月)
SNSとの向き合い方

ここまでSNSと動画配信について掘下げてまいりました。SNSのはじまりから定着までの流れ、インフラとしての役割など考えると現段階でSNSを排除する事は考えられません。世界的にSNSに対して規制が強化(特に若年層に)される傾向があります。ポイントになるのは判断軸が少ない世代においては教育としてSNSの使い方やリスクなどを正しく伝え適切に警戒しながら活用することが重要と考えます。
賃貸暮らしとSNS

賃貸の領域においてはYouTubeショート動画やInstagramリール動画を活用したお部屋紹介(ルームツアー)や取扱い説明動画、バーチャルステージング(写真と家具の合成)などが現在活用されています。10年前では費用的に考えにくかったバーチャル内見(動画やVR)や生成AIを活用した理想のお部屋づくりなどが現在では可能になって来ています。
住みながら理想のお部屋を創っていく方法から理想のお部屋をバーチャルで生成しそこに近づけていくスタイルへ。グーグルレンズやアップルビジュアルインテリジェンス機能などが代表例で理想のお部屋に必要な家具や小物、金額まで調べることができます。 セレ コーポレーションでは賃貸内部の空間設計を回遊できる360度バーチャルツアー(ルーミー)を用意しています。
詳細はこちらから。
参考文献
- Cross Marketing「SNSの歴史とは?SNSの誕生から未来までをたどる」(最終更新日: 2026/03/19
- NTTドコモ モバイル社会研究所ホームページ「SNS利用率 小学生高学年で62% 中学生は95%」(2026年2月16日)
- 総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月)