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賃貸住宅で付加価値を感じる設備とは?25~35歳の未婚男女を対象に調査
前回は、自宅で使用している家電や、賃貸住宅に備わっていると嬉しい家電について調査を実施し、「選ばれる家電の変化」や「あまり利用されていない家電」などを分析しました。
しかし、快適な住まいを選ぶうえで重要なのは家電だけではありません。収納スペースや防犯設備、水回り設備、宅配ボックスなど、住み心地を大きく左右する設備も数多く存在します。
そこで今回は、25~35歳の未婚男女(1人暮らし・2人暮らし)の賃貸住宅居住者を対象に、「賃貸住宅で付加価値を感じる設備」と「今後あったら魅力的だと感じる設備・サービス」について調査しました。
調査結果からは、現在の住まいに求められる設備だけでなく、これからの賃貸住宅に期待される新たなニーズも見えてきました。
▼調査方法
調査対象:1都3県の賃貸住宅に住む25~35歳の未婚の男女。(1人暮らし又は2人暮らしが対象)
調査手法:インターネット調査
サンプル数:800人(男女400名づつ)
目次
賃貸物件の付加価値設備・サービスランキング。最も評価されたのは?

若者が「非常に付加価値を感じる」「やや付加価値を感じる」と回答した割合を合計し、カテゴリー別にランキング形式で発表します。どのような設備やサービスが、今の若者にとって本当の「価値」になっているのでしょうか。
4つのカテゴリーごとに詳しく見ていきましょう。
1. 快適・生活効率化カテゴリー
日々の暮らしやすさや、家事のタイパ(タイムパフォーマンス)に直結する設備が揃うカテゴリーです。
- 独立洗面台・浴室乾燥機:身支度の快適性と、天候を気にせず洗濯できる効率性が高く評価されています。
- 大容量収納:居住空間を広くすっきりと保つために、クローゼットや納戸の広さは根強い支持を集めています。
2. セキュリティ・防犯カテゴリー
1人暮らしからカップルまで、安心・安全な暮らしを担保するための必須カテゴリーです。
- オートロック:不審者の侵入を防ぎ、プライバシーを守るための基本かつ最重要の防犯設備として安定した人気を誇ります。
- 専用宅配BOX:防犯面での安心感に加え、対面での受け取りを避けたい層からも非常に高く支持されています。
3. スマート・通信インフラカテゴリー
在宅ワークの普及やデジタルライフの充実に欠かせない、現代の最重要インフラです。
- 高速インターネット:動画視聴やオンラインゲーム、リモートワークをストレスなく行うための必須設備です。
- IoT設備:スマホでの家電操作やスマートロックなど、一歩進んだ次世代の利便性に注目が集まっています。
4. 共用サービスカテゴリー
マンション全体の資産価値を高め、ホテルのような利便性や新しい働き方を提供するカテゴリーです。
- 共有ワークスペース:自宅や職場以外のサードプレイスとして、集中して仕事や勉強ができる空間のニーズが高まっています。
- コンシェルジュサービス:クリーニングの取次や来客対応など、日々の暮らしに上質なサポートと安心感をプラスします。
今回の集計結果から、どのカテゴリーが最も若者の心をつかみ、高い付加価値を生み出しているのでしょうか。
それでは、各カテゴリーの合計数値をランキング順に詳しく発表していきます。
カテゴリー別ランキング
No.1 快適・生活効率化カテゴリー 合計862pt.
収納に関するデータを男女別で見ると女性が8.8pt高く、年代別では30代が17.42ptも高いという結果が出ました。 実は、設備についても同じような傾向が見られます。このことから、若者が本当に価値を感じているのは、目新しい新しい設備やサービスではないのかもしれません。むしろ、「今まさに使っているもの」や「普段から不満に思っていること」の中にこそ、改善のヒントや本当のニーズが隠れているのではないでしょうか。
No.2 セキュリティ・防犯カテゴリー 合計833pt.
直接的な防犯設備(オートロック・防犯カメラ等)の認知・需要は、女性が男性を13.4pt上回る結果(男性43.3%:女性56.7%)となりました。 これは想定通りの傾向と言えます。一方、セキュリティと利便性を両立する「専用宅配ボックス」でも女性の割合が高い(男性46.7%:女性53.3%)ものの、男女間の格差は6.6ptに縮小している点が特徴的です。
No.3 スマート・通信インフラカテゴリー 合計659pt.
高速インターネット(必須設備)への支持はIoT(付加価値設備)を169pt(1.7倍)も上回り、圧倒的な差がつきました。層別では、高速ネットは女性(+15.84pt)や30代(+15.94pt)、IoTは30代(+11.38pt)で特に高い関心を示しています。若者は先進的な機能よりも、日々のQOLに直結するインフラを強く求めていることが分かります。
No.4 共用サービスカテゴリー 合計436pt.
共用ワークスペース・ラウンジやコンシェルジュサービスは性別による差がない一方、年代別では30代がより高い付加価値を見出しています(ラウンジで+7.54pt、コンシェルジュで+14.28pt)。この結果の背景には、30代特有の仕事の忙しさや、テレワーク空間の確保といったライフスタイルが強く関係していると考えられます。
賃貸住宅で付加価値を感じる設備・サービスランキングの個別詳細は下記の通りです。

3つの軸から見えた人気設備の傾向

年代軸:30代は、収納や高速インターネット、水まわり設備、宅配ボックスなど、暮らしの効率や快適性を高める設備への関心が他年代を大きく上回りました。時間を有効に使いたいというタイパ志向と、自宅で過ごす時間や空間の質を高めたいという思いが、設備選びにも表れているようです。
分析:30代は仕事の責任やライフイベントが重なる「人生で最も時間に追われるライフステージ」にあります。彼らが求めているのは、単なる高級感ではなく「時間を生み出す設備(コンシェルジュや宅配BOXによる時短)」と「ストレスのない効率的な環境(収納、高速ネット)」です。また、ラウンジへの高い支持からは、自宅内だけでは仕事とプライベートの切り替えやテレワーク空間の確保が難しく、サードプレイスを住まいに内包させたいという30代特有の切実な背景がうかがえます。

性別軸:防犯ニーズでは明確に見られた男女差も、利便性や快適性に関わる設備になるにつれて次第に縮小する傾向がうかがえます。オートロックなどの防犯設備では女性の支持率が13.33ポイント高かった一方、宅配ボックスではその差が6.54ポイントまで縮小しました。
分析:物理的なセキュリティ(防犯)に関しては、依然として女性の方が圧倒的に高い危機意識を持っています。しかし、そこに「利便性」や「生活効率」という要素が加わると、男性の需要が急増し、男女のスコアが同質化していく傾向があります。これは、現代において「家事の効率化」や「暮らしのスマート化」は性別を問わない共通の課題になっており、設備提案においては「女性向け=防犯」「男性向け=ガジェット(IoT)」という従来の固定観念がもはや通用しないことを示しています。

必要性軸:高速インターネットはIoT設備を大きく上回る評価を獲得しており、支持率では約1.7倍、スコア差は169ptに達しています。この結果からは、新しい技術やサービスへの期待よりも、通信環境や収納不足など、日々感じる不満の解消を優先する生活者の実用志向が読み取れます。
分析:若者は、スマートホームのような「あったら格好いい未来の暮らし(IoT)」よりも、通信が遅いといった「今そこにある日常のストレス」の解決をに最優先しています。生活インフラ(高速ネットや)という「土台」が完璧に満たされて初めて、IoTや共用サービスといった「付加価値」に目が向くという購買心理の序列が明確です。先進性をアピールするだけの空回りな設備投資は、若者のリアルなニーズに見放される可能性があると言えます。
エリア・人数で違いは出る?

都内と3県では顕著な差はでませんでした。しかし、2つの大きな特徴が確認出来ましたので紹介します。
① 同棲層は設備ニーズが全体的に非常に高い
恋人・パートナーと同棲している層は、全ての設備で全体平均を大きく上回っています。
特に高い項目は、セキュリティ設備:67.6%(全体52.5%)、高速インターネット無料:66.2%(全体51.8%)、大容量収納:64.7%(全体54.0%)、水まわり設備:63.2%(全体53.8%)となっています。
2人暮らしになると、快適性・利便性・安全性への要求水準が一段高まることがうかがえます。
② 東京都心部では「ネット環境」と「共用サービス」の評価が高い
都心3区(千代田区・中央区・港区)は、高速インターネット無料:62.2%(全体1位)、共用ラウンジ:45.9%(全体26.5%)、コンシェルジュサービス:40.5%(全体28.0%)、IoT設備:40.5%(全体30.6%)が高い水準です。
一方で収納や水まわりは平均的です。 そのため都心居住者は、「専有部の広さや設備充実」よりも、「利便性・先進性・共用サービス」を重視する傾向がある
まとめ
今回、1都3県の賃貸住宅に住む25〜35歳の未婚男女800人を対象に調査を行ったところ、「大容量収納」「水まわり設備」「セキュリティ設備」「高速インターネット無料」といった、日々の暮らしを支える設備が高く評価されていることが分かりました。
特に30代では、設備やサービス全般への関心が高く、住まいに対して快適性やタイパを重視する傾向が見られます。また、IoT設備のような先進的な機能よりも、「収納が足りない」「通信環境をもっと快適にしたい」といった、毎日の生活の中で感じる不便を解消する設備への評価が高いことも印象的でした。
さらに、同棲中のカップルでは設備への期待値が全体的に高く、都心部では共用ラウンジやコンシェルジュサービスなど、利便性を高める共用設備への関心が高い傾向も確認できました。
今回の調査を通じて見えてきたのは、若者が求めているのは単なる新しさではなく、「毎日の暮らしを少し楽に、少し快適にしてくれること」だという点です。これからの賃貸住宅では、先進的な設備を追加するだけでなく、収納・水まわり・防犯・通信環境といった基本性能をしっかり整えることが、住まいの価値向上につながるのではないでしょうか。
賃貸住宅で高く評価されるのは、必ずしも最新の機能だけではありません。収納の充実や使いやすい水まわり、防犯対策、快適なインターネット環境など、毎日の暮らしをより快適にしてくれる設備に、多くの人が魅力を感じているようです。

セレコーポレーションは、限られた空間の中でもゆとりを感じられる空間設計を大切にしています。暮らしの中にある小さな不満をひとつひとつ解消し、住み重ねるほどに快適さや使いやすさを実感できる住まいづくりを追求しています。
※図1~5:2026年7月16日実施、独自インターネット調査、n=800、1都3県の賃貸に住む25~35歳の未婚の男女