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データで見る!東京に住む若者が持っているキッチン家電と、平均年収以上の若者が欲しいキッチン設備

若者が所有している家電と、欲しいキッチン設備を探る

新しい生活を始める場所として、賃貸アパートを探すのはワクワクする時間です。間取りや立地、家賃はもちろんですが、「どんな設備があるか」も部屋選びの重要なポイントです。本コラム「住まいのこだわりポイントは? ~キッチン編~」で見たように、ほとんどの若者が自炊をしているというデータがありました。つまり、食事をするために行わなければならない調理は、1回につき数十分かかるため、キッチンは使い勝手がそのまま生活の質に直結すると言ってもいいでしょう。

今回はキッチンの話題でも少し切り口を変え、東京に住む若者が所有している家電、そして所得の高い若者がどのようなキッチン設備を求めているのか、求めるキッチン設備に違いがあるのかを順を追ってご紹介していきます。

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一人暮らしのキッチン、リアルな家電所有率は?

一人暮らしの若者は、どのような家電を持っているのでしょうか?20~39歳の首都圏在住の賃貸住宅に住んでいる一人暮らしの男女1000名を対象に行った独自のインターネット調査(2023年)で、キッチンにある主要な家電の所有率を調べてみました。(図1)

電子レンジは79%、炊飯器は69.6%の所有

最も所有率が高かったのは、生活必需品ともいえる電子レンジ・オーブンレンジで79.0%でした。続く炊飯器は69.6%、そして電気ケトルは55.4%の所有率という結果でした。電気ケトルは、空焚きの心配もなく、必要な時に必要な分だけ素早く湯を沸かせる手軽さが人気の理由かもしれません。

(図1)キッチン家電の所有率

以前行った別の調査「住まいのこだわりポイントは? ~キッチン編~」では、一人暮らしの自炊率が90%前後と高い結果が出ていました。

それに対して、電子レンジや炊飯器の所有率が少し低く感じられるかもしれません。
その理由として考えられるのが、「自炊」の捉え方です。2024年7月に実施した、東京都在住の賃貸住宅に住む30代のカップル546名対象の独自インターネット調査では、自炊をする人の中でも「素材を切る、加熱する程度の簡単な調理が多い」という方が約50%いました。若い方は簡単な調理でも自炊と捉え、「手間のかかる料理=自炊」だけではなく、「手を加える=自炊」と考える方が多いようです。

また、電子レンジを使わずに鍋で温める、炊飯器ではなく鍋でご飯を炊く、というように、「多くのものは代替が利く」という考えで、必要最低限のものしか持たないミニマリスト的な志向の方も増えています。こうした多様なライフスタイルが、家電の所有率に影響を与えていると推測されます。

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東京の若者の平均収入と、賃貸住宅に住む平均以上の収入がある若者が求めるキッチン設備

賃貸のお部屋に備え付けられている設備は、自分で家電を買い揃えるのとは違い、入居者が自分で変更することはできません。だからこそ、自分が本当に欲しい設備が最初から備わっているお部屋は、大きな魅力となります。
東京に住む平均以上の収入がある若者に対して実施した、「欲しいキッチン設備」の独自調査の結果について見てみます。
そのキッチン設備のメリット・デメリットもみてみましょう。安全性や便利さなどを新たに発見できるかもしれません。

若者の「平均年収」はどのくらい?

まずは、前提条件である東京に住む若者の平均収入についてお伝えします。

このコラムでは、25歳~35歳の若者を取り上げているため、その年代の平均年収を調べてみました。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、東京都の民間企業などで働く給与所得者の平均年収(2022年調査結果)は以下のようになっています。

  • 25~29歳:405.8万円
  • 30~34歳: 490.8万円

全国平均よりも高い結果となっています。

これらの平均年収を上回る収入を持つ若い世代に焦点を当てて、彼らが求めるキッチンの姿を探っていきます。

家賃が少し上がっても欲しい!平均収入以上の若者が希望するキッチン設備

一人暮らしの若い世代(ここでは賃貸住宅に住む25~35歳)は、これまでの記事でも見てきたように、家賃が少し高くなっても良いから欲しいと思うものにはお金を出すという傾向があります。ではキッチン設備では、どのようなものを家賃が少し高くなっても欲しいと挙げているのでしょうか?もちろん、何に価値を感じるかは人それぞれですが、収入によって異なる傾向が見られることが確認できました。

(図2)キッチン関連でこれがあれば家賃が少し高くなってもよいと思えるもの

このグラフからは家賃が高くなっても欲しいものが一つもないと答えられる方が一見多く見えますが、60%近くの方は家賃が高くなっても欲しいものがあると回答しています。

一番多いのは「食器洗い乾燥機」となり、「アイランド型やペニンシュラ型の対面キッチン」、「大型キッチン」、「収納引き出し」が続きます。前述の章「一人暮らしのキッチン、今のリアルな家電所有率は?」で見たように、半数以上の若者が電子レンジ、炊飯器、電気ケトルを所有しているため、それらを置くスペースに加えて作業するスペースが必要となると、スペースを確保できる「大型キッチン」「収納引き出し」を希望するのは所有するキッチンアイテムと自炊率の高さと関連しているようです。

平均収入以上の若者が希望するキッチンアイテム

「食器洗い乾燥機」「IHクッキングヒーター」「浄水器」の3つの設備について注目してみます。なぜその設備を欲しがっているかについてもメリット・デメリットを挙げて考えてみます。

食器洗い乾燥機

年収600万円以上の層で、約35%の方が「欲しい」と回答しています。平均年収を大きく超える収入を得ている方々にとって、時間を有効に使いたいというニーズは高いようです。

(図3)キッチン関連でこれがあれば家賃が少し高くなってもよいと思えるもの – 「食器洗い機」を選択した年収別割合

食器洗い乾燥機のメリットを下記に挙げます。

  • 手洗いに比べて作業時間を大幅に短縮できる。
  • 高温でしっかり洗浄・乾燥するため衛生的。
  • 手洗いに比べて使用水量が少なく、節水につながる。
  • グラスなどに細かい傷がつきにくい。
  • 手荒れの心配がない。

次に、デメリットを挙げます。

  • 手洗いに比べて水道代が安くなる傾向はありますが、電気代は別途発生。
  • 設置スペースまたは組み込むスペースが必要。
  • 運転中はモーター音や水が噴射する音により、マンションやアパートなど集合住宅では、深夜の使用に配慮が必要。
  • 大きな食べ残しやこびりついた汚れは、事前に手で取り除く必要性があり、洗えない素材のものがある。

前回のコラムで、「住まいもタイパ」が大いに関わっているのではという記事を配信しましたが、食器洗い乾燥機は家事の時間を大幅に短縮できる設備の1つです。

メリットがデメリットを上回って食器洗い乾燥機を欲しいと感じるのは、食器洗い乾燥機が忙しい毎日を送る人々の強い味方であるからでしょう。

関連記事|若者が選んだ住まいに関するこだわりポイント タイパも大いに関わっている ~トップ9~

IHクッキングヒーター

(図4)キッチン関連でこれがあれば家賃が少し高くなってもよいと思えるもの – 「IHクッキングヒーター」を選択した年収別割合

年収800万円以上の層で、希望者が30%を超えています。可処分所得に比較的余裕のある層が求める傾向が見られますが、最近ではIHクッキングヒーターの本体価格がガスコンロと大きく変わらない製品も増えています。そのため、単にコストだけでなく、実家がIHだった影響や、IHならではのメリットに魅力を感じている可能性も考えられます。

IHクッキングヒーターの主なメリット・デメリットを見てみましょう。(参照:サンワカンパニー ホームページ)

メリット

  • 掃除のしやすさ: トッププレートがフラットなので、汚れを拭き取りやすい。
  • 均一な加熱: 鍋全体を均一に加熱しやすい。

デメリット

  • 火力: ガスコンロに比べて、瞬間的な強火(中華鍋を振るなど)は苦手な場合がある。
  • 停電時: 電気を熱源とするため、停電時には使用できない。
  • 調理器具: IH対応の鍋やフライパンが必要となる。安価なものは可熱効率が低いものが多い。

このように、IHクッキングヒーターはガス器具とは異なる特性を持ち、ライフスタイルや調理スタイルによって向き不向きがありますが、料理初心者にとってはガスコンロに比べてIHクッキングヒーターはお手入れが簡単なので、こちらもタイパ重視の設備ということのようです。

浄水器(組み込み型)

(図5)キッチン関連でこれがあれば家賃が少し高くなってもよいと思えるもの – 「浄水器(組み込み型)」を選択した年収別割合

年収700万円台の若者から希望者が増え始めています。浄水器のメリットとデメリットを見てみましょう。

メリット

  • おいしい水になる:気になる臭いを除去できる。
  • 水道水中の不純物を除去できる: 塩素、赤サビ、鉛などの有害物質を除去できる。(※ろ過装置により性能は異なります)
  • 飲み水や料理に気軽に使える: 蛇口から直接、またはポットなどで手軽に浄水を使えるため、飲料だけでなく調理にも気兼ねなく使用できる。
  • ペットボトルの水やウォーターサーバーよりコストが抑えられる場合が多い: 水道料金に加えてカートリッジ代などのランニングコストはかかりますが、安価になる傾向がある。
  • プラスチックごみの削減と時間の削減: マイカップや水筒の利用で、ごみの削減につながる。
  • プラスチックボトルの購入と廃棄時間の削減:浄水器は一回取り換えればしばらく取り替える必要はないので、ペットボトルの水の購入と廃棄の時間を削減できる。
  • ミネラル分は残せるタイプがある: 浄水器は種類により、体に必要なミネラル分は残し不要な不純物のみを除去するものもある。(RO膜など一部の高性能な浄水器はミネラルも除去します)。

デメリット

  • ランニングコストがかかる: 浄水能力を維持するために定期的なカートリッジ交換が必要で、このカートリッジ代が継続的に発生する。
  • カートリッジ交換の手間: カートリッジの交換作業の時間が必要。
  • 浄水は長期保存に向かない: 塩素が除去されるため、殺菌効果がなくなり、常温で放置すると雑菌が繁殖しやすくなる。
  • 温水は浄水できないタイプが多い: 多くの浄水器フィルターは温水を通すと性能の低下や、吸着した物質が溶け出す可能性があります。浄水モードは冷水のみ使用可能。
  • 水圧が弱くなることがある: フィルターを通すため、水道水そのままよりも水の流量が少なくなることがある。

前述の「食器洗い乾燥機」と「IHクッキングヒーター」はタイパに繋がる設備でしたが、こちらは特に短時間になるというメリットはないようです。安全性、おいしさというところがポイントのようです。

高年収の若者が求める設備の傾向

東京の賃貸住宅に住む25歳~35歳の平均年収を超える層では、時間の節約や、安全性などを重視し日々の生活の「質」を高めるための設備を希望することが、これらの調査データから見て取れます。

セレ コーポレーションは若者のニーズに応える住まいづくりをしています

若い世代と一口に言っても、その収入やライフスタイルによって、キッチン関係に求めるものが大きく異なります。
当社では平均年収以上の収入を持つ層が求めるような、機能的でQOL(Quality of Life)を高めるキッチン設備とは何かという今回の市場調査のみならず、若い世代のライフスタイルに対応できる、移り変わるニーズへの深い理解を強みとしています。

セレ コーポレーションはオーナーさまにとって価値が高く、そして入居者様が日々快適にお過ごしいただけるように、それぞれの理想の暮らしを実現できるようなアパート建築を目指してまいります

が、なんといっても多くの方が思い浮かぶように、宅配ボックスは受け取り待ち時間からの解放や自分の時間に合わせて好きな時に受け取ることがメインの理由です。その宅配ボックスが普及した本来の理由から考えられるように、忙しい現代の人々にとって宅配ボックスは「タイパ」の代表的なアイテムです。

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